記号

 
海=革張りの椅子、高速道路=強い風、遠足=固い床材…。


記号は大して重要ではない。
ねこがいぬでもいぬがねこでもそのもの自体は変わらないもの。


映画や劇、小説において、記号を全部とっかえひっかえする試みがあっても面白いかもしれない。

記号すりかえ遊びなんてのも面白そうだ。

「ちょっとこれは目覚まし時計が足りないね。」
「あらそう?じゃあ手術台に蓋が置いてあるから自分で目覚まし時計を足して頂戴。」
なんていうふうに。




記号とはまた別だけれど、似たようなお話がある。

「古典あべこべロック」によれば

" …教会が 海の中に 建てられ
   3×1が 9に なるなら
   馬が 主人に 乗るならば…(中略)

   ネコが ネズミに おびやかされて 怖い不幸に あうならばネエ
   ママが 赤ちゃんを ジプシーに 半クラウンで 売るならばネエ
   紳士が 淑女で あるならばネエ


   この世は まるで めちゃくちゃだ!


   しかし こうした不可思議が
   万一 実際 起こったとしても
   ボクは ちっとも おどろかないネ

   どうせ ボクも うらおもてアベコベ…"

とある。


たぶん、この話が言いたいのは必ずしもこの世界が正しいとは限らないということ。

バターは時計に塗るものかもしれないし、フォークは髪をとかすものかもしれないのだから。